監視カメラの録画時間は何で決まる?保存方法・圧縮方法による違い
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監視カメラ
- 2023.09.19
CONTENTS この記事でわかること
監視カメラの録画時間が短いと、データがすぐに消えて後から見返せないといった不都合が生じます。レコーダーに買い換える以外に、録画時間を長くする方法がないか知りたい方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、監視カメラの録画時間が決まる要素について解説します。また、録画時間を伸ばす対策についても紹介するので、機器を買い換える前にぜひ試してください。
監視カメラの録画時間は3つのポイントで変わる
監視カメラの録画時間が変わるのは、主に以下の3点の影響です。
- 容量がどのくらいあるか
- 画質・解像度がどのくらいか
- どの方法で保存・圧縮するか
それぞれどのように影響するのか解説します。
ポイント1.容量がどのくらいあるか
監視カメラの録画時間は、保存媒体がどのくらいの容量を備えているかで変わります。容量の大きさに比例して、録画時間は長くなります。
録画データが容量をオーバーした場合、古いものが自動的に削除され、新しいものを残すタイプが一般的です。古い映像を残したい場合は、容量がいっぱいになる前に記録媒体を交換する必要があります。
保存期間の目安は以下の通りです。
2TB | 約1週間 |
4TB | 約2週間 |
8TB | 約3週間 |
容量が同じでも、画質や保存方法次第で録画できる時間は変わるため、事前にチェックしておくと安心です。
なお、クラウドに保存する場合は契約するサービスによって容量が異なり、録画できる時間が変わるため、必要な容量を見極めましょう。
ポイント2.画質・解像度がどのくらいか
画質や解像度が高いほど、録画出来る時間は短くなってしまいます。録画時間が短くなっていると感じた場合、チェックするポイントは以下の3つです。
- 監視カメラの画質
- レコーダー側の画質
- 録画のフレームレート
画質の設定を変更すると、録画時間を長くできる可能性があります。
しかし、極端に画質を下げると、映像を見返した際に見たい箇所の画質が荒くなり細かいところまで見えない可能性があります。設置場所や目的に応じて設定を変更しましょう。
ちなみにフレームレートとは、1秒間あたりに処理するフレーム(コマ数)を表わす数値で、一般的に単位はfpsです。数値が大きいほどなめらかな映像になり、小さいほどカクカクとした動きになります。また、動きがなめらかになるほどデータ量が大きくなり、録画時間は短くなります。
さらに、レコーダーに対してカメラの設置台数が多いと、それだけ録画時間が短くなる点にも注意しましょう。
ポイント3.どの方法で保存・圧縮するか
保存容量や画質が同じでも、記録媒体が対応する保存方法や画像の圧縮方法によっても録画時間は変動します。
レコーダーの種類には以下のようなものがあります。
DVR(デジタルビデオレコーダー) | ・アナログカメラ専用レコーダー ・同軸ケーブルでカメラと接続する ・画質が劣化する |
NVR(ネットワークビデオレコーダー) | ・ネットワークカメラ専用レコーダー ・LANケーブルでカメラと接続する ・画質の劣化がない |
レコーダーによって対応できる保存方法が異なるため、事前に確認しましょう。
監視カメラで録画した映像が高画質になるとデータ量が大きくなるため、圧縮して保存する方法も増えています。録画した映像の圧縮方法によって、録画時間だけでなく画像の美しさにも影響が出ます。録画した映像の利用目的に合わせて、圧縮方法を選びましょう。
なお、現在ではネットワークカメラが主流であり、NVRを利用するケースが多いです。
監視カメラの録画時間|保存方法による違い
録画時間を左右する保存方法について、さらに詳しく確認しましょう。保存方法は大きく2つです。
- 記録媒体への保存
- クラウドへの保存
それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
記録媒体への保存
記録媒体には、HDD・SDカード・SSDの3種類があります。それぞれの特徴を確認しましょう。
HDD
HDDの特徴は以下の通りです。
- 一般的に使用されるケースが多い
- 価格が安い
- 録画可能時間が長い
監視カメラの記録媒体のなかで、一般的に使用されるケースが多いのがHDDです。容量が多いため長時間の録画が可能であり、価格が安く利用しやすいのがメリットです。反面、サイズが大きい、振動に弱いといったデメリットもあります。
SDカード
SDカードの特徴は以下の通りです。
- 価格が安い
- 録画可能時間が短く交換が必要
SDカードはスマートフォンやデジタルカメラなどの機器にも使用されています。価格が安く扱いやすい反面、容量が大きくないため長期保存や長時間録画には向いていません。
また、ほかの記録媒体に比べると壊れやすいデメリットもあります。定期的な交換が必要になるため、監視カメラの映像を一時保存する際に利用されるケースが多いです。
SSD
SSDの特徴は以下の通りです。
- 性能が高いが価格も高い
- 録画可能時間が短い
- 屋外に適している
SSDはHDD同様、半導体素子メモリを使った記録媒体です。HDDより衝撃に強く、消費電力が少ない、処理速度が速い、コンパクトといったメリットがあります。
反面、HDDに比べると容量が小さく価格は高くなります。突然の故障や、壊れたデータの救出が困難といった点にも注意が必要です。
クラウドへの保存
記録媒体を用いず、インターネット上のクラウドに保存する方法もあります。サービス提供会社が用意しているサーバを利用し、プランによって保存できる日数を選べます。パソコン・スマートフォン・タブレットなどから、時間・場所を選ばずデータへのアクセスが可能です。
また、監視カメラ専用レコーダーの購入や、設置スペースを確保する必要もありません。レコーダーの故障や、自然災害でレコーダーが壊れてデータが消失するといった心配もありません。
デメリットは、インターネット環境を整えるための工事が必要になる点です。主にLANケーブルの配線工事や、Wi-Fiルーター・アクセスポイントの設置などが含まれます。
また、サービスを継続して利用するためのランニングコストも必要です。加えて、インターネットへの接続が切断された場合、録画が残らない点にも注意しましょう。
監視カメラの録画時間|圧縮方法による違い
監視カメラの録画時間を左右する、圧縮方法の違いを解説します。
Motion JPEG | ・映像を1フレームごとに確認する際に画像が劣化せず編集しやすい ・ファイルの圧縮効率は良くない |
MPEG-4 | ・Motion JPEGより圧縮効率が高く録画できる容量が大きい ・1フレーム単位で鮮明な画像を取り出すには不向き |
H.264 | ・MPEG-4を改良して圧縮効率を上げた方式 ・画質を損なわず効率良く圧縮できる ・主流の国際規格 ・圧縮や展開のためには高い処理能力をもつ機材が必要 |
H.265 | ・H.264をさらに改良し録画時間を長くした方式 ・超高画質の映像にも対応可能 |
圧縮効率の良い方法を選べば、画質を維持したまま録画に必要な容量を減らせるため、録画可能時間を長くできるでしょう。
一般的にMotion JPEGやMPEG-4を採用するケースは少なく、H.264・H.265が主流です。
監視カメラの録画時間を伸ばす3つの対策
監視カメラの録画時間を長くするためには、主に3つの方法が考えられます。
- カメラの稼働時間を短くする
- 設定を変更する
- 容量を増やす
それぞれの内容を詳しく解説するので、取り入れられるか検討してください。
対策1.カメラの稼働時間を短くする
監視カメラが稼働している時間を短くし、録画する映像の量を減らせば、録画可能時間を伸ばせます。設置場所や目的によって、常時稼働させておく必要がない場合に有効な方法です。
例としては、必要な時のみ稼働させる、モーション検知機能(動体検知機能)やアラーム機能(スケジュール機能)を利用するといった方法が挙げられます。
モーション検知機能は、センサーが動きを検知すると録画を開始する機能です。侵入者などを検知した場合のみ録画機能が作動するため、稼働時間を削減できます。
アラーム機能は、あらかじめ日時を設定しておき、録画したい時間だけ監視カメラを稼働させる機能です。営業時間後の店内や、深夜の道路などを撮影する際に使用されます。ただし、設置場所や目的によっては24時間稼働させなければならないため、使用する場合は十分な検討が必要です。
対策2.設定を変更する
監視カメラやレコーダーの設定を確認し、画質やfpsが必要以上に高くなっていないか確認しましょう。設定を変更するだけで録画時間を伸ばせる可能性があります。
設定の変更は、新たに機材を買い換える必要がないため手軽な方法です。ただし、録画した映像を利用する目的によっては細かな部分まで鮮明に判別できる必要があり、高い画質やfpsが求められます。
まずはfpsの設定を下げ、さらに録画時間を伸ばしたい場合は画質を下げましょう。設定変更後の映像を確認し、目的を果たせるレベルかどうか確認すると安心です。
また、圧縮方式を変えると、データの容量を小さくできるため録画時間が長くなります。対応している圧縮方式の中で、最も効率の良いものを選びましょう。
対策3.容量を増やす
記録媒体を利用して録画している場合は、容量の大きなものに交換すれば録画時間が長くなります。画質やfpsを下げる必要がないため、鮮明な映像の保存が可能です。
ただし、記録媒体は容量が大きくなるほど価格も上がる傾向があります。また、HDDを増設する場合、購入費用のほか増設した機材を設置する場所も考えなければなりません。
さらに、レコーダーによって増設できるHDDの数が異なるため、何台まで増設可能なのかを事前に確認しましょう。
監視カメラを決める際の注意点
できるだけ録画時間を長くしたい場合、監視カメラを選ぶ際に次の点に注意しましょう。
- 録画データの保存方法
- 認識するSDカードの容量
- 録画データの圧縮方法
- 録画以外の機能
画質が良いと、それだけ保存するデータの容量が大きくなり、録画時間は短くなります。目的に合わせた画質を選び、必要以上に高いものは選ばないようにしましょう。
加えて、保存方法によって導入時のコストだけでなく、その後のランニングコストも変わります。保存する必要のあるデータの容量や残しておきたい日数によって、コストパフォーマンスの高い保存方法は異なります。用途に応じて最適な方法を検討しましょう。
また、カメラごとに認識するSDカードの容量が異なるため、購入前に確認しましょう。
さらに、効率の良い圧縮方法に対応するカメラを選べば、同じ画質・容量でも録画時間が長くなります。モーション検知機能やアラーム機能といった機能を活用すれば、稼働時間を短縮でき、その分録画時間を長くできます。どのような機能が利用できるかも、カメラ選びのチェックポイントに加えましょう。
監視カメラの録画時間は設定次第で長くなる!
監視カメラの録画時間を長くするには、機器を買い換える前に、設定や保存方法の見直しなどできる対策があります。監視カメラを設置する目的や、録画した映像の利用方法から、過度に高い画質・解像度になっていないか見直すところから始めましょう。
監視カメラやレコーダーの設定を見直す際、目安がわからない場合はメーカーや専門業者に相談してはいかがでしょうか。現時点での設定と、監視カメラの利用目的を伝えれば、どう変更すべきか具体的なアドバイスをもらえるでしょう。
録画時間を長くできないかと悩んでいる方だけでなく、監視カメラの購入を検討している方にとっても、専門知識をもつ相手に相談する方法が有効です。
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Q&A
Q.監視カメラの録画時間が変わるポイントは何ですか?
A.録画時間は「容量がどのくらいあるか」「画質・解像度がどのくらい良いか」「どの方法で保存・圧縮するか」で変わります。
Q.手軽に録画時間を伸ばす方法はありませんか?
A.まずは監視カメラやレコーダーの設定を見直し、必要以上に高い画質・解像度になっていないか見直しましょう。設定を変えるだけで、録画時間が長くなる可能性があります。
アートのネットワークカメラ&レコーダー
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ポイント1
明るさにかかわらず鮮明な映像を残せる高解像度のネットワークカメラ
ポイント2
複数のネットワークカメラと接続可能な大容量ネットワークビデオレコーダー