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監視カメラネットワーク構成とは?カメラの種類や便利な機能も解説

  • 監視カメラネットワーク構成とは?カメラの種類や便利な機能も解説

    監視カメラ

  • 2025.11.17

アナログカメラに代わり、監視カメラの主流となっているのが「ネットワークカメラ(IPカメラ)」です。2023年時点で、監視カメラ市場の約75%でネットワークカメラがシェアを占めており、国内の需要が高まっています。

「インターネット経由で映像確認・保存ができる」「カメラの接続がLANケーブルのみで配線できる」など、とてもシンプルなネットワーク構成となり、コスト面でも大きなメリットを期待できるのが魅力です。

この記事では、監視カメラ市場で高い人気を誇るネットワークカメラについて、ネットワーク構成や種類、あると嬉しい便利機能を解説します。カメラの活用シーンについても触れていますので、あわせてご参照ください。

ネットワークカメラとは

ネットワークカメラとは

ネットワークカメラは「IPカメラ」とも呼ばれており、カメラ本体にコンピューターが内蔵されたカメラです。ネットワークカメラは、それぞれにIPアドレスが割り振られており、単独でインターネットに接続&監視カメラとしての役割を果たせます。

アナログカメラと違って、パソコンやスマートフォンから、インターネット経由で直接監視カメラの映像を確認できるのがネットワークカメラのメリットです。遠隔で監視カメラの映像を保存したり、撮影角度の変更やズームしたりと柔軟に操作できます。

ネットワークカメラは「防犯や監視用のセキュリティカメラ」としてビルや店舗で使われていましたが、近年では家庭用としてペットや子供、高齢者の見守りカメラに使用されるケースも増えています。

なお、ネットワークカメラと同様に、インターネット経由で映像のやり取りができる「Webカメラ」があります。ただし、コンピューターが内蔵されているネットワークカメラと違って、Webカメラは本体にコンピューターを内蔵していないため、動作させるにはパソコンなどの接続が必要です。

ネットワークカメラの活用シーン

ネットワークカメラの活用シーン

ネットワークカメラは、防犯・監視の目的のほかに、さまざまなシーンで活用されています。ここでは、ネットワークカメラの活用シーンについて紹介します。

  • 防犯・監視
  • 店舗や工場の状況確認
  • 従業員の入退室管理
  • 見守り
  • マーケティング

防犯・監視

ネットワークカメラでもっとも多い活用シーンは、防犯・監視の目的で設置するセキュリティカメラです。店舗やオフィスの出入口、駐車場などにカメラを設置すれば、犯罪・不正行為を行う者への抑止効果に繋がります。

また、万が一ビル内で犯罪・不正行為が発生した場合でも、監視カメラが設置されていれば、記録されたネットワークカメラの映像で「犯行内容の確認」「犯罪者の特定」などに役立てられます。

店舗や工場の状況確認

防犯・監視以外に店舗や工場に設置するネットワークカメラの利用目的として、店舗内の混雑状況の確認や工場の製造ラインのチェックなどが挙げられます。

ネットワークカメラを利用すれば、店舗や工場に立ち会うことなく、遠隔で各店舗や工場の状況をリアルタイムに確認できます。支店など複数のエリアを1箇所からまとめてチェックできるため、業務の効率化を図れるのが魅力です。

従業員の入退室管理

オフィスの入退室管理システムにネットワークカメラを連動させれば、入室履歴の映像を後から確認できます。

特に、機密情報や危険物を取り扱うエリアは、出入り口の扉周りに監視カメラを設置することで、「なりすまし」や「共連れ」など不正行為の抑止効果にも繋がります。

見守り

介護施設や保育施設でネットワークカメラを「見守りカメラ」として導入する活用方法も増えています。何らかの事故が発生した場合、事故後に職員が事故の様子を確認できるのが魅力です。

また、遠隔で施設内の状況を確認できるため、職員の負担を軽減することにも繋がります。ほかにも、自宅用として外出時の子供部屋やペットの見守りとして、ご自宅でネットワークカメラを利用するケースも増えています。

マーケティング 

近年では、ネットワークカメラ&AI機能を用いて、時間帯ごとの来客数や性別、年齢層などのデータ取得に役立てるケースも増加傾向にあります。来客数の数や客層を分析し、POSデータと連携させることで、売上向上への判断材料に繋げられるのが魅力です。

ネットワークカメラを監視カメラとして採用すれば、防犯効果だけでなく、マーケティング方面でも活用する方法を見い出せます。

監視カメラのネットワーク構成

監視カメラのネットワーク構成

監視カメラとしてネットワークカメラを導入する際は、大きく分けて「ネットワークカメラ」「録画機器」「映像を確認する端末」の3つが必要です。

  • ネットワークカメラ本体:映像を撮影するカメラ
  • 録画機器(またはサービス):撮影した映像データを保存する
  • 確認端末(PC・スマートフォン):保存された映像やリアルタイムの映像を監視・再生する

上記に加えて、機器同士を接続し、インターネット経由で映像を確認するためのネットワーク環境(インターネット回線)と、カメラや録画機器を作動させるための電源が不可欠です。ただし、端末によって必要環境は異なります。

たとえば、各機器の接続にはLANケーブルが必要ですが、PoE対応のネットワークカメラであればLANケーブル1本で電源も供給できるのが魅力です。省線化などにより配線工事コストを抑えられます。

従来の同軸ケーブルと電源の配線が必要なアナログカメラに比べて、ネットワークカメラを使った監視カメラは、「配線が少ない」「遠隔で操作・確認できる」などが大きなメリットです。

ネットワークカメラの種類 

ネットワークカメラの種類 

ネットワークカメラを構成する「電源」「録画」「カメラ」について、種類と特徴を紹介します。

  • 電源
  • 録画
  • カメラ

電源

ネットワークカメラを監視カメラに使う場合、電源供給は一般的に、「ACアダプター」と「PoE給電」の2種類があります。

ACアダプターは、ACアダプターを電源コンセントに接続して、ネットワークカメラに電源を供給する方法です。複数台のカメラを設置する場合は、台数分の電源コンセントが必要になります。

PoE給電は、LANケーブルからネットワークカメラに電源を供給する方法です。LANケーブルの配線だけで、電源ケーブルやACアダプターが不要のため、導入コストを抑えられます。

また、ネットワークカメラにバッテリーが内蔵されたタイプも存在します。別途電源は必要ありませんが、バッテリーの交換や充電が必要なため、常時録画が目的の監視カメラには不向きです。

録画 

ネットワークカメラの録画は、大きく分けて「サーバー録画(NVR)」「クラウド録画」「NAS録画」の3種類があります。

比較項目サーバー録画 (NVR)クラウド録画NAS録画
保存場所LAN内の専用録画機 (NVR)インターネット上のクラウドストレージLAN内の汎用ストレージ (NAS)
初期費用高い安い高い
月額料金原則不要必須原則不要
メリット・監視カメラ専用設計で安定性が高い
・PoE給電ポート一体型ならカメラ配線が楽
・高画質/長期間の録画に対応しやすい
・録画機の設置スペースが不要
・機器本体の盗難/破壊時も映像データは安全
・機器のメンテナンスが不要な場合が多い
・ファイルサーバーなど、カメラ以外の用途と機器を兼用できる
・(NVR同様)高画質/長期間の録画に対応しやすい
デメリット・NVR本体の設置スペースが必要
・NVR本体が盗難/破壊されると録画データも失う
・安定したインターネット回線が必須(通信障害で録画が停止する)
・データ容量や保存期間に応じて月額料金が発生/変動する
・NAS本体が盗難・破壊されると録画データも失う
・カメラ録画の設定がNVRより複雑な場合がある
・PoE給電には別途スイッチが必要になる

「サーバー録画(NVR)」は、ネットワークカメラで撮影した映像データをLANのネットワークを介してNVR(ネットワークビデオレコーダー)に保存する方法です。NVRをネットワークに接続すれば、クラウド録画同様に遠隔地からでも映像を確認できます。

また、大容量のハードディスクを搭載すれば、高画質な映像を長時間保存できるのも魅力です。月額料金等が掛からなくなるのはメリットですが、初期費用としてNVR本体の購入費や設置スペースが求められます。

「クラウド録画」は、ネットワークカメラで撮影した映像データを、インターネット経由でデータセンター(クラウドストレージ)に保存する方法です。NVRのようなレコーダーの専用録画機器を設置する必要がないため、導入時の初期費用を抑えられるのが魅力です。

また、機器のメンテナンス・管理もサービス提供側が行ってくれるケースも。初期のコストは抑えられるものの、月額のクラウド利用料が発生します。

「NAS録画」は、ネットワークカメラで撮影した映像データを、LANのネットワークを介してNAS(ネットワーク対応HDD)に保存する方法です。ネットワークカメラ専用に開発されたNVRとは違って、データのバックアップやファイル共有など多種多様な用途に用いられています。

また、導入時にNASを用意する初期費用がかかります。

カメラ

一般的なネットワークカメラのタイプには、大きく分けて「ボックス型」「ドーム型」「小型」の3種類があります。

ボックス型は、箱型の形状で大きく目立ちやすいのが特徴の監視カメラです。存在感があるため「見られている」意識を与えるため、犯罪抑止効果を高める効果が期待できます。

ドーム型は、天井や壁に設置する威圧感のない半球状の監視カメラです。威圧感が少なく空間に溶け込みやすいため、オフィスや店舗の景観を損ねたくない場合に適しています。

小型は、手のひらサイズのコンパクトさが特徴の小型監視カメラです。従来のカメラでは設置できない狭い場所や隙間への設置など柔軟に対応できます。

また、ネットワークカメラは「屋外用」と「屋内用」があります。屋外に設置する場合は、雨風や気温変化に耐える防水・防塵性能が必須です。設置する場所によって、監視カメラのスペックを確認する必要があります。

あると便利なネットワークカメラの機能

あると便利なネットワークカメラの機能

ネットワークカメラの便利な機能として代表的な「PTZ」「映像検知」「赤外線」「顔認証」の4つの機能を紹介します。

  • PTZ
  • 映像検知
  • 赤外線
  • 顔認証

PTZ

PTZ機能とはPan(パン:水平方向)・Tilt(チルト:垂直方向)・Zoom(ズーム:拡大縮小)の頭文字を取った監視カメラです。ネットワークを通した遠隔の操作で、カメラの首振りを制御できます。

一般的なカメラでは同じ場所しか撮影できませんが、PTZカメラなら、遠隔操作でレンズの方向を変えられるため広範囲の撮影が可能です。

河川や海岸での災害時に遠隔で状況確認を行うのに利用したり、駐車場で不審者や車の動きを捉えたりなどさまざまな場所で利用されています。

映像検知

ネットワークカメラには検知機能を搭載した監視カメラがあります。人など動くものに反応して撮影を開始する機能や、対象物が無くなるとアラートを出す機能などがあり、防犯性能に優れているのが特長です。

  • 動体検知:人感センサーでカメラの前で何かが動いた時だけ撮影する
  • 侵入検知:設定されたエリア内に人が侵入した場合に撮影またはアラートを出す
  • 自動追尾検知:エリア内で動くものを検知し、自動的に追尾して撮影する
  • 持ち去り検知:あらかじめ設定した対象物が映像から無くなると撮影またはアラートを出す

赤外線

夜間など照明がない場所で撮影するために、赤外線照射機能が搭載されたネットワークカメラもあります。暗い場所で通常では撮影できないシーンでも、赤外線が届く範囲であれば、赤外線を照射して撮影することが可能です。

「日中はカラー」「夜間暗くなると自動的にナイトモード」「赤外線を照射して白黒映像」と、スムーズに切り替えて撮影できるモデルが多く、屋外にカメラを設置する場合には必須と言っても良い監視カメラの機能です。

顔認証

顔認証機能を内蔵したネットワークカメラを利用すれば、従来の顔認証システムのように、監視カメラ1台で顔認証システムを構築できます。認証用のリーダーやPCサーバーが不要で、ネットワークカメラ1台だけで顔認証システムを導入できるのは大きな魅力です。

店舗などで要注意人物の顔画像を事前に登録しておけば、来店時にアラーム通知が届くため、スムーズに対策することが可能です。また、介護施設などでは、認知症の方などを事前に登録して、夜間徘徊の問題対策に役立ちます。

ほかにも、オフィスでは入退室管理システムと組み合わせれば、出退勤の管理などを効率化できる魅力もあります。

監視カメラのことならアートにご相談ください! 

監視カメラとしてネットワークカメラを利用すれば、遠隔での監視やコストを抑えられるなど、さまざまなメリットがあります。自社に設置する際は目的を明確にして導入を検討しましょう。

セキュリティ機器専門メーカーの株式会社アートでは、高機能なセキュリティカメラを豊富にラインナップしています。

アートが提供するセキュリティカメラの特長として、

  • 高品質・高機能:IP67規格に準拠しており、防塵性・防水性に優れた製品を多く取り揃えています。
  • 豊富なラインナップ:ドーム型、バレット型、広角タイプなど、ニーズに合わせた製品をご用意。
  • 安心の長期保証:5年又は3年の長期保証で万一の不具合や故障でも安心。
  • 充実のサポート:24時間365日の電話サポート、オンサイト対応など充実したサービスをご提供。

導入をご検討の際は、是非アートへご相談ください。

Q&A

Q:ネットワークカメラを使うためには何が必要ですか?

A:「カメラ」「録画機器」「映像を確認する端末」の3つが必要となります。監視カメラで撮影した映像を録画機器に保存し、端末で映像を確認する役割となります。

Q:ネットワークカメラにはWi-Fi環境が必要ですか?

A:Wi-Fi対応カメラの他にLAN接続のネットワークカメラがあります。カメラ映像をNVR、NASやクラウド上で録画する場合は基本的にLANのネットワーク環境が必要となります。

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