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顔認証スマートロックとは?メリットや注意点、おすすめ製品を解説

  • 顔認証スマートロックとは?メリットや注意点、おすすめ製品を解説

    顔認証システム

  • 2025.07.29

スマートロックを導入するオフィスビルやマンションが増える中、セキュリティ性が高く、利便性が良い「顔認証スマートロック」を採用する企業が増えています。

顔認証スマートロックなら、鍵やカードを紛失する心配がなく、パスワードを覚える必要もない利便性が人気を集めています。また、入退室の記録を自動で残せるため、セキュリティ面も評判です。

本記事では、顔認証スマートロックを導入するメリットから利用する際の注意点などを紹介します。オフィスビルやマンションなどにスマートロックを導入予定で顔認証に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

スマートロックとは

スマートロックとは

スマートロックとは、従来のような物理的な鍵とは違って、「スマートフォン・ICカード・暗証番号・生体認証」などを利用してドアの鍵を施錠・解錠できるシステムです。

扉の錠前を自動的に解錠できるほか、入退室管理とセットならセキュリティも担保できるため、スマートロックの導入で利用者・管理者双方が利便性の恩恵を受けられます。

従来からある扉の一般的な解錠方法は「錠前のカギ穴に鍵を差して回す方法」ですが、近年オフィスビルやマンションなど、モーターやソレノイドを利用して電気の力で解錠するスマートロックが急速に普及しています。

「Grand View Research, Inc」の最新レポートによれば、スマートロックの世界市場規模は、2025~2030年にかけてCAGR(年平均成長率)19.7%で成長すると予測されています。

参考:株式会社グローバルインフォメーション「スマートロック市場レポート

スマートロックの種類

スマートロックには「顔認証」以外にもさまざまな種類が存在します。扉の錠前を解錠するのに使われる4つの認証方式は以下のとおりです。

  • 非接触ICカード
    スマートロックでもっとも普及している方式。非接触ICカード内部にICチップ・アンテナが内蔵されており、カードを扉の照合部に近づけると電波で自動的に通信を行い照合する。
  • 暗証番号
    扉の照合部に表示された、0〜9の数字を暗証番号として入力し照合する。低コストで導入可能だが、暗証番号の漏洩リスクがあるため、運用には注意が必要。
  • スマートフォン
    スマートフォンのアプリから、BluetoothやWi-Fiで接続して照合する。スマートフォンのバッテリーが切れた場合に機能しなくなるリスクがある。ただし、スマートロックやアプリの種類によっては遠隔地から解錠を行えるタイプも。
  • 生体認証
    スマートロックでもっともセキュリティレベルの高い認証方式。顔認証スマートロックも生体認証に含まれる。ほかに、指紋認証・静脈認証・虹彩認証などがある。

スマートロックの仕組み

スマートロックには、大きく分けて2つの仕組みが連動します。「錠前を電気的に解錠する仕組み」と「認証を行う仕組み」の2つです。

錠前を電気的に解錠する仕組みには、「認証リーダーが一体型の装置をサムターンに被せるタイプ」と「認証リーダーを別置きで錠前を電気錠に交換するタイプ」の2つがあります。一般的な家庭で用いられるスマートロックはサムターンに被せるタイプが主流です。

一方で、セキュリティを重視した場所や人通りの多いエリアでは、錠前を電気錠に交換し、別置きで認証リーダーを設置する事例が多くなっています。一般家庭向け製品に比べてバッテリー切れなどを防げるほか、より高精度な認証機能を活用できるのが魅力です。

スマートロックで照合して解錠する仕組みとしては、以下のような流れとなります。

  1. 認証装置にカード番号や暗証番号、生体認証情報を事前に登録します。
  2. 扉の錠前を解錠する場合、扉に設置されたスマートロックのリーダー部にカード、スマートフォンまたは顔など(暗証番号は数字を入力)をかざして認証の操作を行います。
  3. 認証したデータが登録されたデータと一致すると、扉の錠前を電気的に解錠します。

顔認証スマートロックとは

顔認証スマートロックとは、ユーザーの「顔」を事前に登録することで認証し、鍵を自動で解錠する仕組みを採用したスマートロックを指します。

認証装置のカメラで顔画像を取得し、目や鼻の位置など本人の特徴をデータ化して事前に登録されたデータと照合して認証する仕組みです。AI(人工知能)技術であるディープラーニングによって、顔の特徴をしっかりと捉えて正確にデータ照合を行えます。

顔認証技術の進歩により、顔認証スマートロックは他の生体認証システムよりも認証精度が非常に高く、セキュリティ性が優れているのがメリットです。

マスク・メガネ着用や化粧・髪型の変化、経年変化などでも本人の特定が可能な顔認証システムもあり、利用できる施設も幅広く、スマートロックの認証方式として顔認証を選ぶ場面が増えています。

顔認証スマートロックのメリット

顔認証スマートロックのメリット

顔認証スマートロックは何も持たずに照合・解錠ができるなど利便性に優れているのが魅力です。さらに、セキュリティレベルが高いだけでなく、他のスマートロックとは違って紛失トラブルを避けられる魅力もあります。

ここからは、顔認証スマートロックを導入した場合のメリットについて解説します。

両手がふさがっていても使える

顔認証スマートロックを導入すれば、顔ひとつを見せるだけで自動的に解錠できるため、ハンズフリーで通行できるのがメリットです。たとえ両手がふさがっていても認証できるため、荷物の持ち運びや、小さなお子様連れの両親もストレスフリーで利用できます。

人の顔で認証して解錠する顔認証スマートロックだからこそ、鍵やICカード、スマホを取り出す手間もかかりません。

手元の細かい作業が難しい障害者や高齢者にも優しいシステムとなっており、顔認証スマートロックなら身体的な制限を受けにくいのも魅力です。

セキュリティレベルが高い

顔認証スマートロックは、非常に優れたセキュリティレベルを確保できる点が大きなメリットです。暗証番号のように外部に漏れたり、ICカードのように紛失したりするリスクもありません。そのため、他人による不正利用を防止して、部外者のなりすましを防止する効果が期待できます。

「個人特有の顔」を鍵として認証できるため、「暗証番号が漏れた」「ICカードの紛失/再登録等の手間が掛かった」「スマートフォンのバッテリーが切れて認証できない」といったトラブルを避けられるのが魅力です。

そのため、顔認証スマートロックはもっとも優れたセキュリティレベルを確保できるとして、オフィスやマンションなど幅広いシーンで活用されています。

鍵の管理がいらない

顔認証スマートロックなら、利用者・管理者ともに鍵の管理が不要なのもメリットです。鍵やICカード、スマートフォンといった物理的な端末を持ち歩く必要がなく、自分に備わっている顔ひとつで入退室を行えます。利用者の「うっかりミス」によって、建物内に入れない心配事がなくなるのは大きな魅力です。

また、小さなお子様が出入りできなくなるトラブルを防止できるなど、マンションでも顔認証スマートロックは利用者から人気を集めています。

さらに魅力的なのが、管理者サイドの鍵管理における負担を軽減できる点です。鍵やICカードの運用では、通常、物理的なキーの受け渡しが必要となります。社員の入社・退職や、マンションの入居・退去に伴って、その都度受け渡しや管理を行わなければなりません。

一方で、顔認証スマートロックなら、物理的な鍵・ICカードは不要です。管理者サイドがシステムから登録者を削除するだけで、鍵の受け渡しを行う必要がなくなるため、効率的な運用管理を実現できます。さらに、万が一の紛失・破損で物理鍵を交換するといった作業も発生しなくなるメリットもあります。

他のシステムと連携できる

顔認証スマートロックなら、他のシステムと連携できるのも大きなメリットです。たとえば、入退室管理システムと連携すると「誰がいつ建物・部屋へ入ったか」など、入退室の状態を監視できます。勤怠管理システムと連携すれば、出退勤の自動記録も可能です。

従来の物理鍵では入退室管理との連携は難しかった一方で、ICカードは忘れ物など「社員同士でこっそり貸し借りしてしまう」といった問題がありました。

その点、顔認証スマートロックは決して他者に貸し出すことはできないため、個人を詳細にトラッキングできるようになり、入退室管理・勤怠管理もスマートに実現できるのがメリットです。

顔認証スマートロックの活用シーン

顔認証スマートロックはさまざまなシーンで活用されています。簡単に活用例をご紹介します。

  • オフィス:オフィスではエントランス扉や社員用通用口をはじめ、各扉にスマートロックを導入することが多くなりました。セキュリティレベルが高く、運用管理に手間のかからない顔認証を採用することにより業務の効率化を図ることができます。また、勤怠管理システムとの連携も可能です。
  • ホテル:事前に顔写真を登録し、チェックイン時に顔認証で本人確認を行うことで、スムーズなチェックインを可能にします。客室扉の解錠操作や館内施設利用にも顔認証スマートロックを活用することで、便利で快適な滞在を提供できます。今後は多くのホテルでの導入が進むと予測されています。
  • 住宅:次世代のマンションとして顔認証の採用が進んでおり、利便性とセキュリティを向上させる技術として注目されています。マンションのエントランスや宅配ボックスに顔認証を導入することにより不正を防ぐことができます。住戸扉では顔認証スマートロックの導入により、鍵の紛失などのリスクも解消されます。
  • 保育施設や塾:施設内へ入室の際に顔認証スマートロックを活用することで、子どもの安全を確保することができます。顔認証ではなりすましができないため、外部からの不審者の侵入を防止することができます。また、保護者への通知システムとの連携も可能です。
  • 高齢者施設:エントランス扉への顔認証スマートロックの導入により、入居者の鍵やICカードの紛失へのリスクを減らすことができます。また、認知症の方の徘徊対策としても利用することが可能です。

顔認証スマートロックを利用する際の注意点

顔認証スマートロックを利用する際の注意点

顔認証スマートロックにはさまざまなメリットがある一方で、いくつか注意点も存在します。具体的には、導入費用や利用料、電池切れのリスク、個人情報の保護などです。

ここからは、顔認証スマートロックを利用する際の注意点について解説します。

導入費用・利用料がかかる

一般的な顔認証スマートロックの場合、クラウド型入退室管理システムが多く、サーバー利用料及び機器利用料が込みの月額の費用が掛かる点に注意が必要です。さらに、配線や機器設置の工事費用が初期費用として掛かります。

使用する製品の機器代は月額料金に含まれるため、初期費用としては掛かりません。ただし、月額料金には保守料金も含まれるため、故障時の修理や交換などの費用は掛からないのがメリットです。

電池切れのリスクがある

顔認証スマートロックには「電池式」と「コンセント式」があります。電池式の顔認証スマートロックは配線工事が不要のため設置工事が簡単なものの、電池切れのリスクがあるため、定期的な電池交換が必要になります。

万が一、顔認証スマートロックの電池が切れた場合、扉の解錠を行えないため、事前に電池が切れた場合の対処方法や連絡先を周知しておくことが大切です。

一方で、コンセント式の顔認証スマートロックは配線工事などの初期費用はかかるものの、運用面においては電池切れのリスクが無いため、安心して利用できます。特に通行量や利用者の多い場所では、直接電力を供給するコンセント式顔認証スマートロック(電気錠)の設置が一般的です。

個人情報を保護する

顔認証スマートロックの導入で注意すべきポイントが、個人情報の保護です。顔認証スマートロックの認証で利用される、顔画像のデータは個人情報として取り扱う必要があります。名前や住所と同じように、個人情報のガイドラインに従った管理が必要です。

個人情報である顔画像のデータを顔認証スマートロックで使用するには、顔画像本人の同意を得る必要があります。また、その顔画像のデータを今回の目的以外で利用しないなど、個人情報保護法に則って管理します。

顔認証スマートロックで、安全・便利な環境を実現しよう!

ここまで、顔認証スマートロックを導入する際のメリットや注意点などについて解説してきました。セキュリティレベルが高く、利便性の良い顔認証スマートロックについて、導入を検討してはいかがでしょうか。

株式会社アートでは、顔認証スマートロックとして、クラウド型入退室管理ALLIGATE(アリゲイト)をご用意しています。セキュリティ専門メーカーであるアートが提供するスマートロックは、高機能でハイセキュリティな製品で、運用後のサポート体制も万全です。

ALLIGATEはクラウド型のため、Web管理ツールでユーザー登録や入退室権限の付与、入退室ログの閲覧をスムーズに行えます。複数拠点の一元管理等、オフィスやビジネスに不可欠な利便性の高い機能を豊富に揃えています。

アートのクラウド型入退室管理ALLIGATE

Q&A

Q:スマートロックにはどのような種類がありますか?

A:代表的な認証方式としては、非接触ICカード・暗証番号・スマートフォン・生体認証の4種類があります。また、生体認証でもっとも普及しているのが顔認証方式です。

Q:顔認証スマートロックのメリットは何ですか?

A:両手がふさがっていても使える、セキュリティレベルが高い、鍵の管理がいらないなど、顔認証スマートロックは利便性が高く安心して利用することができます。

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