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パンチルトとは?PTZ(パンチルトズーム)カメラについても詳しく解説

  • パンチルトとは?PTZ(パンチルトズーム)カメラについても詳しく解説

    監視カメラ

  • 2023.09.12

監視カメラを選ぶ際に目にするのが、パンチルトやPTZ(パンチルトズーム)といった用語です。パン・チルト・ズームはカメラの機能を指しますが、機能の詳細がわからずカメラ選びで迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、パンチルトやPTZの意味を詳しく解説します。また、PTZカメラのメリット・デメリットも紹介するので、監視カメラを選ぶ際の参考にしてください。

パンチルトの意味

パンチルトとはカメラの首振り機能を指しています。また、PTZはパン・チルト・ズームの略称でそれぞれの単語の頭文字となっており、意味は以下の通りです。

  • パン(Panoramac):カメラの水平(左右)方向への首振り
  • チルト(Tilt):カメラの垂直(上下)方向への首振り
  • ズーム(Zoom):撮影画面の拡大と縮小

一般的な監視カメラでは同じ場所しか撮影できませんが、首振り機能があるカメラは必要に応じて角度を変えながら撮影できます

多機能なPTZ(パンチルトズーム)カメラとは?

PTZカメラは、パン・チルト・ズームの3つの機能が備わったカメラです。操作で視点を自由に動かせるため、撮影したい場所にカメラを向けたり、ズーム機能で現場の状況を詳しくチェックしたりできます。

製品によってカメラの可動域は異なりますが、撮影したい範囲が広い場合や映像を拡大・縮小して細かくチェックしたい場合に便利です。

ズーム方式が2種類ある

PTZカメラのズーム方式には、デジタルズーム光学ズームの2種類があります。ズーム方式の違いは、映像を拡大した際の画質に影響します。

デジタルズームはレンズの焦点を変えずに映像を拡大していく仕組みです。そのため、拡大すればするほど映像が荒くなったり、文字などの細かい部分が読み取れなくなったりします

一方で、光学ズームはレンズの焦点を変化させながら映像を拡大するため、映像の画質は劣化せず、はっきりとした映像を確認できます。また、ズーム方式の違いに加えて、カメラの画素数も映像の鮮明さに影響を及ぼす点にも注意しましょう。

追尾・巡回機能がある

一定の動きを繰り返す監視カメラや防犯カメラを見た経験がある方も多いのではないでしょうか。PTZカメラにはセンサーによって動く対象を追尾したり、定位置を巡回しながら撮影したりする機能がある製品があります。

首振り機能がないカメラと比較すると、被写体を撮影範囲内に長く留められるため、監視の幅が広がるのが特徴です。また、プリセットポジション機能がある製品では、カメラの角度をあらかじめセットできます。一定間隔でカメラが自動的に動くため、広い範囲を監視したい場合に便利な機能です。

PTZカメラの3つのメリット

ここでは、PTZカメラのメリットを3つ紹介します。PTZカメラは操作によって自由度の高い撮影ができるため、さまざまな用途に活用可能です。

メリット1.離れた場所から操作できる

PTZカメラは専用のコントローラースマートフォンなどを利用し、離れた場所から操作できます。ネットワークに繋がっていれば、カメラを操作しながらリアルタイムで映像をチェックできる点がメリットです。

外出先からでもカメラの映像を確認できるため、リアルタイムで監視できます。また、首振り機能を活用すると簡単に見たい場所に視点を移動できるため、犯罪や異変に気付きやすいでしょう。

メリット2.広い範囲を撮影できる

PTZカメラは視点を上下・左右に動かしたり、拡大・縮小をしたりできるため、広範囲を撮影できるのが大きなメリットです。

通常のカメラでは被写体が撮影範囲外に出てしまうと捉えきれませんが、PTZカメラは首振り機能を利用して広い範囲をカバーできます。そのため、監視カメラが設置されているのにもかかわらず、肝心なシーンが撮れていないといった失敗を減らせるでしょう。

メリット3.撮影範囲を設定できる

カメラで撮影したい場所を設定できるプリセットポジション機能を利用すると、指定時刻に設定した場所を撮影できます

例えば、特定の時間に無人になる場所で、無人の時間帯にのみカメラを利用して撮影する使い方が可能です。時間帯や状況に応じて、カメラの撮影範囲を変えたい場合は、プリセットポジション機能があるPTZカメラを導入しましょう。

PTZカメラの3つの注意点

PTZカメラは自由にカメラの向きを変え、広範囲を撮影できる点がメリットですが、死角があるなど注意点もあるため確認しましょう。また、導入コストが高くなりやすい点についても詳しく解説します。

注意点1.広い範囲を撮影できるが死角もある

操作で自由に視点を動かせるのがPTZカメラのメリットですが、見たい場所にカメラを向けている間は、撮影できない死角が生まれるため注意が必要です。撮影している方向と反対の方向は死角になるため、例えば監視対象の人や車が撮影している方向と逆方向に移動してしまうと見失ってしまいます。

死角を少なくしたい場合は、PTZカメラに加えて固定カメラも併用しましょう。固定カメラは一定方向しか撮影できませんが、固定カメラの死角をPTZカメラで補うようにすると便利です。

注意点2.操作中はタイムラグが生じる場合がある

遠隔でカメラを操作する際は、操作速度とカメラが動く速度が違うため、タイムラグが生まれ動作が遅く感じるケースがあります。遠隔操作に慣れていない場合は、カメラを動かすのが難しく感じる方もいるかもしれません。

カメラにプリセットポジション機能がある場合は、事前に特定の場所を向くように設定できます。上手く活用できればカメラの操作をスムーズに行えるでしょう。

注意点3.カメラによっては導入コストが高い

PTZカメラは多機能なため、カメラ本体のコストが高い傾向があります。製品によって差がありますが、安いもので10万円、高いものでは100万円ほどのコストがかかり、高性能なカメラほどコストが上がるのが特徴です。

PTZカメラの価格は、カメラの画素数やズームの倍率などの機能的な要素によって決まります。導入コストが気になる方は、必要な機能が何かを明確にしてから製品選びをしましょう。

PTZカメラで鮮明な映像を撮影したい場合はネットワークカメラがおすすめ!

監視カメラは犯罪の現場を映像に収めたり、映像を不審者の特定に役立てたりできます。そのため、できるだけ鮮明な映像を撮影したいと考える方も多いのではないでしょうか。小さく映り込んだものが何かを特定したり、文字などをはっきりと認識したりするためには、高画質な映像が必要不可欠です。

PTZカメラを遠隔で操作しながら、リアルタイムで鮮明な映像を見たい方はネットワークカメラを選びましょう。ネットワークカメラには4K対応の高画質なものもあります。また、無線LANを利用できる製品には配線工事をせずに利用できるものが多いため、簡単に導入できる点もメリットです。

PTZカメラの利用例4選

PTZカメラは広範囲を撮影でき、必要に応じて監視したい箇所を拡大できるため、機能を活かしてさまざまな場所で利用されています

ここでは4つの利用例を取り上げ、PTZカメラの機能を活かした利用方法について詳しく解説します。

利用例1.河川・海岸の観察

河川や海岸に設置されるPTZカメラは、災害時や悪天候時の現場チェックに役立っています。災害時や悪天候時に海や川に近づくのは危険ですが、遠隔操作で広い範囲を撮影できるPTZカメラであれば安全な場所から現場を監視できます

また、海や川のような自然環境の中で普段は誰も立ち入らない場所では、通常は定点カメラとして運用し、災害時などにのみ視点を切り替えて全体の様子を把握する使い方も可能です。

利用例2.駐車場での車両ナンバーチェック

駐車場は人物や車の出入りが自由なケースが多く、特に無人駐車場では車上荒らしやいたずらなどの犯罪が起こりやすいため、監視カメラを導入している場所も少なくありません。

駐車場にPTZカメラを設置すると、出入りする人物や車だけでなく、車両ナンバーのチェックにも利用可能です。PTZ機能で不審者や車の動きをしっかりと捉え、必要に応じて車両ナンバーや不審者の顔を拡大して確認できます。

利用例3.店舗の万引き対策

撮影範囲が広く、特定の場所や人物を拡大できるPTZカメラは、小型店舗から大型店舗までさまざまな店舗で万引き対策として活躍しています。

万引きの現場を捉えたり、怪しい行動をしている人物を追尾しながら撮影したりできるため、万引き対策に効果的です。万引きは監視カメラの死角を狙って行われますが、PTZカメラは撮影範囲が広いため店内の死角をカバーしやすく、店舗で利用しやすいでしょう。

利用例4.工場の監視

工場では建物の内外でPTZカメラが活躍しています。工場内では危険物を取り扱っていたり、関係者以外の出入りが厳禁となっていたりする場所があります。そのような場所にPTZカメラを設置することで、撮影範囲を変えながら厳重に監視できるでしょう。

また、屋外では高所で立ち入りができず、人力による監視ができない場所で利用されています。PTZカメラを高所に設置すると、高い視点から広い範囲を撮影できるため、工場のような広い敷地でも十分に活用可能です。

多機能で広範囲撮影ができるPTZカメラを活用しよう!

PTZカメラは、自由に視点を切り替えながら撮影できるため広範囲を監視できます。一定の場所だけでなく、必要に応じて撮影範囲を変えつつ監視を行いたい場合はPTZカメラを導入しましょう。ただし、PTZカメラにも死角があるため、状況に応じて固定カメラとの併用もおすすめです。

また、高画質な映像を撮影したり、無線LANを利用してカメラを遠隔操作したりする場合は、ネットワークカメラが便利です。設置場所や利用目的に合わせて、必要な機能を備えた製品を選んでください。

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Q&A

Q:パンチルトやPTZ(パンチルトズーム)とは何ですか?

A:パンチルトやPTZ(パンチルトズーム)はカメラの向きやズーム機能を示す単語で、以下の意味があります。

・パン(Panoramac):カメラの水平(左右)方向への首振り

・チルト(Tilt):カメラの垂直(上下)方向への首振り

・ズーム(Zoom):視点の拡大と縮小

Q:PTZカメラのメリットは何ですか?

A:PTZカメラは、カメラの首振り機能があり自由に視点を変えられるため、広範囲を撮影できるのがメリットです。また、プリセットポジション機能を利用すると、指定時刻に設定した方向にカメラを向けて撮影できます。

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