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アンチパスバックのデメリットは?共連れを防止するための対策も紹介

  • アンチパスバックのデメリットは?共連れを防止するための対策も紹介

    入退室管理システム

  • 2023.11.21

入退室管理で、特に注意しなければならないのは不正な入退室です。認証システムを導入しても、入退室時に不正が起こると情報漏えいのリスクが高まります。不正を防ぐ機能の1つにアンチパスバックがありますが、利用時には注意点があるのをご存知でしょうか。

本記事では、アンチパスバックの仕組みやデメリットについて詳しく解説します。アンチパスバック以外のセキュリティ対策もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

アンチパスバックとは?

アンチパスバックは、入室時に正しい認証が記録されなかった場合に、部屋から出られなくなる機能です。認証を行わず、不正に入退室する部外者への対策として、入退室管理システムで利用されています。入室を許可された人物が認証を行い、許可がない人物が同時に入室する「共連れ」のリスク回避が可能です。

また、アンチパスバックは、1つの扉の入室側と退室側に認証リーダーを設置して利用しますが、入室時と退室時の扉が異なっていても利用できるグローバルアンチパスバックもあります。

アンチパスバックの具体例

アンチパスバックは外部からの侵入だけではなく、内部で起こる不正への対策としても利用できます。例えば、すでに入室している人物のICカードなどを、扉の隙間から受け取って入室しようとした場合は、入室済みの記録があるため不正に侵入できません。

また、室内にいた人物が退室した際、入れ違いで入室した場合も、入室の記録がないため退室できなくなる仕組みです。

アンチパスバックのデメリット

アンチパスバックの2つのデメリットを紹介します。共連れ防止対策としてアンチパスバックを利用する場合は、注意点を把握したうえで対策を行い、効果的に利用しましょう。

デメリット1.完全に共連れを防げるわけではない

アンチパスバックは、不正に入室した人物を退出させない機能です。しかし、不正な入退室を見逃してしまう可能性があります。入室を許可された人物が、許可のない人物と結託して不正を行っていれば、発見は難しいでしょう。

例えば、入室時だけでなく、退室時にも同じように共連れで退室した場合は、アンチパスバックでは対策しきれないため注意が必要です。

デメリット2.ミスで閉じ込められる場合がある

誤って認証せずに入室してしまうと、退室時に認証が拒否され、部屋に閉じ込められる可能性があるため注意が必要です。例えば、うっかり認証した人物と一緒に入室してしまったり、退室者と入れ替わるように入室してしまったりするケースです。

また、急いでいる際に入り口が混み合っていたり、認証用カードを忘れたりした場合は、不正を承知で共連れ入室をしてしまう場合もあるかもしれません。このような場合も、部屋に1人だけ残された状況になると退室できないため注意しましょう。

閉じ込められた際は、入室側から認証してもらうなどの手間がかかります。セキュリティを守るためにも、故意やミスで共連れ入室をしないようにしましょう

アンチパスバックのメリット

アンチパスバックの2つのメリットを紹介します。デメリットだけでなく、セキュリティ対策の1つとして機能する点コストをかけずに利用しやすい点についてみていきましょう。

メリット1.情報漏えいのリスクを減らせる

アンチパスバックだけでは不正な入退室への対策が不十分な場合もありますが、アンチパスバックの機能を把握していない部外者へのセキュリティ対策としては効果的です。部外者が不正に入室した場合は退出を防げるため、情報漏えいのリスクを減らせます。

また、アンチパスバックは、正しい順序で入退室していない人物の特定が可能です。例えば、入室後に再度入室の認証を受けようとする不審な人物などを発見できるため、内部の不正対策にも効果があります。

メリット2.低コストで利用できる

アンチパスバックは、入退室管理システムのセキュリティ機能として備わっているケースが多いため、利用しやすいのがメリットです。新しいシステムなどを導入する必要がなく、低コストで利用できます。

扉の入室側と退室側に認証リーダーを設置する必要はありますが、大掛かりな設備を導入せずに利用できる点がメリットです。

アンチパスバックだけでは不十分!共連れを防ぐためには?

不正な入退室に不安を感じる場合は、アンチパスバック以外のセキュリティ機能や設備の導入も検討しましょう。多くの入退室管理システムには、複数のセキュリティ機能が備わっているため、利用シーンやセキュリティレベルに合わせて選べます。

セキュリティ機能や設備を組み合わせて利用すると、それぞれのデメリットを補いつつセキュリティ効果を高められるため、予算や設置場所に合った方法で共連れ防止対策をしましょう。

入退室管理におすすめのセキュリティ機能5選

ここでは、入退室管理システムのさまざまなセキュリティ機能の中から、セキュリティ強化が見込める5つの機能を紹介します。必要なセキュリティレベルに合わせて、使いやすい機能を選びましょう。

1.2名同時認証(ツーパーソン制御)

2名同時認証は、入室時に2名が認証を行わなければ入室できない機能です。部外者の侵入だけでなく、内部からの情報漏えい対策にも役立ちます。入室を許可されている人物でも、2名以上でなければ入室できないため、不正を行いにくい機能です。

また、2名同時認証には常に2名の認証が必要なモードと、部屋に2名以上いる場合は1名の認証で入室できるモードがあり、セキュリティレベルに合わせて選べます。

2.共連れ検出

アンチパスバックは共連れを防止する機能ですが、共連れ検出は監視カメラを利用して共連れを発見したり通知したりする機能です。共連れを検出できるユニットを導入すると、監視カメラの映像から共連れの発見を検知できます。

さらに、システムが共連れを検知した場合には、アラームなどで通知される機能もあるため、共連れが起きた際も迅速な対処が可能です。

3.生体認証

生体認証では、顔・指紋・静脈などを認証に利用します。高いセキュリティレベルを実現できる認証方法です。ICカードや暗証番号などは、他人に不正利用されるリスクが高い方法ですが、生体認証は偽造やなりすましが起こりにくいため、高いセキュリティが必要な場所で役立ちます。

認証時のセキュリティを強化したい場合は生体認証を選びましょう。なお、数ある生体認証の中で特になりすましが起こりにくいのが顔認証です。

4.アクセスレベル設定

アクセスレベル設定は、入室できる人物のアクセス権を設定できる機能です。例えば、役職によって入室できる部屋を分けたい場合などに、アクセス権を付与する人物を選んで設定できます。

部外者の侵入だけでなく、内部の不正対策としても利用できる機能です。部屋ごとに必要なセキュリティレベルが異なる場合は、アクセスレベル設定で入室できる人物を制限するとセキュリティを強化できます。

5.動線管理(ルートチェック)

動線管理は、決められたルートを通った場合のみ入室できる機能です。認証ルートを間違うと目的の部屋に入室できないため、入室方法を知らない部外者や内部で不正を行おうとする人物の侵入を防げます。

また、​​動線管理は複数のルートから入室できる部屋で役立ちます。部外者が共連れで侵入した場合でも、正しいルートで複数回認証を行うのは難しいため、重要な情報を保管している部屋などに設定すると効果的です。

共連れを防ぐためのセキュリティ対策3選

共連れ防止対策として効果的な設備を3つ紹介します。認証リーダー付きの扉だけでは、セキュリティ面に不安がある方もいるのではないでしょうか。設備を追加すると、より高いセキュリティ効果が得られます。

ただし、設備の導入にはコストがかかったり、設置スペースが必要になったりするため注意しましょう。

対策1.セキュリティゲート

セキュリティゲートは、1名ずつ確実に通行させたい場合に有効です。認証を許可された人物が通ったあとはゲートが閉まる仕組みのため、共連れ防止対策になります。

ただし、アンチパスバックと同様に、完璧に共連れを防ぐ設備ではない点に注意しましょう。セキュリティゲートをくぐり抜けて侵入されたり、共連れが行われたりする可能性があります。

セキュリティを強化するためには、監視カメラと併用して利用するなどの対策が必要です。また、ゲートの種類や形状によって、コストや必要な設置スペースが異なるため注意しましょう。

対策2.監視カメラ

監視カメラを設置すると入退室者を映像で記録できるため、セキュリティレベルの底上げが可能です。リアルタイムで映像を監視したり、過去の映像から不審者を発見したりでき、不正を発見しやすくなります。また、監視カメラを設置するだけで、監視されている意識が強くなるため、犯罪の抑制効果もあります。

監視カメラは設置台数や種類によってコストは異なりますが、安価な製品もあるため導入しやすいセキュリティ設備です。

対策3.インターロックゲート

インターロックゲートは二重扉とも呼ばれており、セキュリティゲートよりも高い確率で共連れを防げる設備です。扉が2つあり、1つ目を通過した人物が2つ目の扉を通過すると、次の人物が1つ目の扉の認証を受けられる構造になっています。

また、1つ目の扉で共連れが起きても、2つ目の扉と間に2名以上がいる場合はそれ以上進めない仕組みです。導入する際は、コストが高い点設置スペースの確保が必要な点に注意しましょう。

アンチパスバックとほかの機能を組み合わせてセキュリティ強化を!

アンチパスバックは、完全に共連れを防ぐ機能ではありません。しかし、部外者が共連れで入室した際は、退室させないなどのセキュリティ効果があります。入退室管理システムに備わっているケースが多いため、セキュリティ対策の1つとして活用しましょう。

高いセキュリティレベルが必要な場所では、アンチパスバックだけでなく、ほかのセキュリティ機能や設備を併用するのがおすすめです。必要に応じて複数のセキュリティ対策を組み合わせて、最適なセキュリティ環境を整えましょう。

アートでは、ICカードや生体認証など多彩なリーダー対応の入退室管理システム「X-LINE」をご用意しております。セキュリティ機能も充実しているので、ぜひご確認ください。

Q&A

Q:アンチパスバックとはなんですか?

A:アンチパスバックとは、入室した記録がない場合に退室を許可しない機能です。部外者が共連れで入室しても、退室させない仕組みになっているため情報漏えい対策になります。

Q:アンチパスバックのデメリットはなんですか?

A:アンチパスバックは、共連れを完全に防ぐ機能ではありません。例えば、共連れで入室し退室時にも共連れが行われた場合、アンチパスバックでは見抜けないためそのほかの対策が必要です。

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  • ポイント1

    異なる認証方式を組み合わせたマルチ認証

    ポイント2

    FeliCa・MIFAREⓇに対応したリーダー

    ポイント3

    共連れ検出や2名同時認証などセキュリティ機能も充実

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