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タイテックでは、従来から出入管理を運用してきたが、チェックゲートは最小限であり、チェックなしで入室できるエリアも存在した。また、入室権限の細かな設定ができず、厳密な管理は困難だった。その一方、この数年、取引先や顧客企業からのセキュリティ強化の要請は高まっており、そうした要請に対応したセキュリティレベルを確保するため、従来システムを刷新する必要があった。
また、同社はICカードを利用したオフィスセキュリティの標準化を目指す企業アライアンス・SSFC(Shared Security
Formats Cooperation)に参加、監視カメラ・ワーキンググループのリーダーを務めており、SSFC仕様の出入管理システムと映像監視システムを連動させたセキュリティシステムの実践モデルを以前から構想していた。同社総務部の口野達也次長は、「SSFC対応カードを利用した出入管理と、監視カメラ、SSFC対応デジタルレコーダを使った監視映像記録を連動させたセキュリティシステムのモデル工場にしたいと考えました」と語る。
同社では、監視カメラを利用した映像監視システムも従来から運用してきたが、出入管理とは完全に別個のシステムであり、入退室ログデータと監視映像とを合わせて参照する場合はすべて手作業だった。「監視カメラは24時間撮影し続けて記録・保存されています。入退室ログデータからある時点の映像を調べたいときには、該当する時点の映像まで延々見て探すことになります。別のエリアの映像も見たいとなると、さらにその作業の繰り返しとなり、手間も時間もかかりました」(口野次長)。スピーディで簡易な管理という面でも、監視映像と連動する新しい出入管理システムの構築が求められた。


同社では、SSFCに対応した新しい出入管理システムの構築について、2005年半ばから検討を開始した。SSFC参加企業の中でSSFC対応の開発が最も進んでいたのがアートの出入管理システムだったという。そこで同社では、SSFC対応のV-LINE出入管理システムの採用を決めた。
それについて、口野次長は、「SSFC参加メンバーの中にも出入管理システムを提供している企業はいくつもありますが、実際にSSFC対応製品を提供できるのはアート社だけでした。当社としては早期にシステムを刷新してセキュリティのレベルアップを図りたいこともあり、アート社の製品を採用することにしました」と説明した。
V-LINE選択のポイントとしては、ほかにもいくつか挙げられる。従来のシステムではネットワークを組むために専用線を敷いてつなぐ必要があった。V-LINEはLANに対応しており、既設のLANで容易にネットワーク接続ができる。システムの一元的に管理するためにも、専用線を新たに敷くことなく既設LANが利用できるというメリットは大きいという。また、従来のシステムでは入退室ログデータをバッチで更新する必要があったが、V-LINEは管理用パソコンとオンラインでつながっており、入退室ログデータもリアルタイムで参照でき、電気錠の状態も監視できる。
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| ドア(電気錠)横に設置されたSSFC対応のV-LINE非接触式FeliCaカードリーダ。右上にはカメラが見える。 |
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社員証(FeliCa対応カードを使用)をリーダにかざすとデータを読み取り、照合して電気錠を解錠。同時に監視カメラで利用者を動画撮影。 |


同社の新セキュリティシステム「SSFCカードセキュリティシステム」は、2006年7月から本社工場での構築をスタート、10月15日に稼働を開始した。
新システムでは20数台のSSFC対応カードリーダで入室時のみならず退室時にもチェックする仕組みだ。工場内のエリアは大きく3段階のセキュリティレベルで区分し、従業員個々に立ち入り権限を設定して、それを出入管理装置に登録する。入室時にSSFC対応カードをカードリーダにかざすと、カードデータを読み取り、出入管理装置の登録データと照合し、合致すると電気錠が解錠される。退室時には同様にして入室記録と照合し解錠される。また、よりセキュリティレベルの高いエリアに入室する場合、それ以前の入室記録がないと解錠されない。
それぞれのカードリーダと監視カメラが対に設置されており、入退室時のチェックと同時に、監視カメラで動画映像を撮影する。撮影映像は入退室ログデータと関連づけられ、SSFC対応のデジタルレコーダに記録、蓄積される。
これらのシステムは別建物内にある本社総務部の管理用パソコンで制御されている。管理用パソコンはLAN接続されており、入退室ログデータはリアルタイムで参照できる。また画面上に表示されるエリアマップで電気錠の状態監視ができ、異常時にはマークや音で警告が発せられる。
稼働開始時点までに発行されたSSFCカードの総数は約580枚に上った。同社では新システム構築に合わせてカード発行機を導入し、外注から自社発行に切り替えており、データや写真などが用意できれば、カードは1枚数分内で作成・発行できるという。
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V-LINEカードリーダでSSFC対応カードのデータを読み取り、V-LINE出入管理装置の入室許可登録データと照合し、合致するとデータが記録され、電気錠が解錠される。ドアA通過の記録がないと、次のエリアのドアBでは拒否される。入退室ログデータはLAN接続された管理用パソコンからリモートで参照できる。同じLAN上のデジタルレコーダに記録された映像データも合わせて見ることができる。
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| 出入管理と連動して撮影するネットワークカメラ(エルモ社製)。撮影映像はデジタルレコーダに記録・保存。 |
SSFC対応のハードディスク型デジタルレコーダ(エルモ社製)。監視カメラの映像データを入退室ログデータと関連づけて記録・保存。 |
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本社工場には社員・派遣社員・パートタイマーなど合わせて370名ほどが勤務しており、うち約150名ほどがパートタイマー等だ。より厳密な新システムへの切り替えで、セキュリティの意識が高まっているという。「入退室時のチェックと同時に監視カメラで記録されることから、全体的なセキュリティ意識の高まりとともに内部の不祥事案発生の大きな抑止力になることも期待できます」(口野次長)。
管理業務そのものも効率化している。新システムを担当している同社総務部総務グループの大澤昌之氏は、「権限の設定・登録を含めて、ほとんどが本社総務部の管理用パソコンからリモートでスピーディに管理できます。その都度、工場まで出向く必要もなくなりました。また入退室ログデータを簡単に検索でき、その時の映像データと一緒に1画面上に表示できます。従来システムと比較すると、管理負荷は大幅に軽減されました」と語る。
同社では、当面、監視カメラとSSFCデジタルレコーダによる監視映像システムと新セキュリティシステムとの連動を完成させ、次のステップとしてSSFC対応カードを利用したプリンタやコピー、FAXなどの利用制御を進める予定だ。さらに本社工場で新セキュリティシステムが定着した後には、本社や他の拠点へと新システムを展開することを計画している。
また、入退室ログデータを勤怠システムの入力データとして利用するデータ連携も図っていきたいとしている。
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| 出入管理システム、映像監視システムを統合管理する管理・監視用パソコン。センサーにより電気錠の状況をリアルタイム表示。 |
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システムの中心となるSSFC対応のV-LINE出入管理装置。ネットワーク運用で3800名までの管理が可能。(標準システムでは最大5,000名) |
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