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多様なメディアで広告代理業務を展開している日経産業広告社は、クライアント企業の発表前の新製品・新サービス情報や、展示会の出展企業・出展内容のリスト、セミナー参加企業リスト、個人情報に至るまで、さまざまな重要情報を抱えている。このため、セキュリティの確保は同社の基本的な課題の1つになっている。同社の渡辺
静仁 社長は、「この数年来、広告業界全体としてもセキュリティの強化は優先課題の1つです。たとえばプライバシーマーク(Pマーク)を取得していない代理店ではDMやセミナーなどの仕事は受注できないという状況です」と語る。日経グループではグループ全体の方針としてPマーク取得を打ち出している。「弊社としても、Pマーク取得に向けて、それに準拠するセキュリティ体制の強化が求められています」(渡辺社長)。
同社では、従来から当然のこととして、全社員に対して情報管理の徹底を指導してきている。しかし、個々の営業社員がそれぞれクライアントを抱え、複数のプロジェクトを同時進行で進める中では、情報の管理も社員一人一人に任せざるを得ないという面があった。また、広告代理業の性格上、メディア関係者をはじめとして数多くの来客があり、部外者の社内への出入りは頻繁になる。そのため、オフィスの出入口に受付は設置していたものの、来客の利便性を考慮して出入口の扉は開放したままということも多かった。オフィス内では接客スペースと社員の事務スペースを区分けし、来客が社員のデスク上の書類を覗いたりできないようにしていたが、部外者がオフィスに気軽に出入りできる点には不安があった。
それは情報の管理だけでなく、社員の安全・安心の確保という面でも同様だったという。同社の根津 隆 副社長は、「弊社には女性社員も多く、夜遅くまで残業していることも間々あります。誰もがオフィスに自由に出入りできる状態では、万一、不法な侵入者に出くわさないとも限らない。そうした心配もありました」と語っている。部外者の出入りを制御するシステムが、社員の安全確保のためにも求められていた。


そうした問題点を解決するため、同社では、2007年4月に現在のオフィスに移転したことを機会にセキュリティの見直しを行い、最優先の課題として出入管理システム導入の検討を開始した。新オフィスは出入口が1か所。そこで入退出をチェックするだけでセキュリティのレベルアップは可能になる。ただ、扉1つ、社員数20数名の小規模なオフィスに適用できるシステムであり、かつ導入費用を可能な限り抑制でき、導入後の運用管理の負荷もかからないことが基本的な要件だった。検討を進める中で、営業社員からアート社の出入管理システムが挙げられた。セキュリティ関連の展示会や企業の事例取材などを通じて、その評判の高さを見聞きしていた。
同社では早速、アート社に相談、その結果、シンプルな非接触型ICカードリーダ「NW-L10」とオフィス管理支援サービス「AOAS」を提案された。NW-L10は、電気錠を制御する機能を組み込んだ一体型のカードリーダ。他の装置は必要なく、スタンドアロンで1扉からでも適用可能だ。また、AOASの遠隔運用管理サービスはカードリーダとAOAS管理センターをインターネット経由で結んで、カードの登録・更新、出入ログの収集・管理、レポート作成、さらに扉の状況監視までをサポートする。これを利用すればシステムの運用負荷はほとんどかからない。
同社ではアート社提案の出入管理システム採用を決めたが、その決め手の1つがAOASのサービスメニューの1つであるICカードレンタルサービスだ。「当初、社員証兼用のICカード制作も検討しましたが、そのコストがシステム機器以上にかさむことがわかりました。初期費用を抑えて手軽にセキュリティシステムを導入するには、このカードをレンタルしたほうが良いと判断しました」(渡辺社長)。
同社のセキュリティシステムは2007年7月から運用がスタートした。社員へのカード配付時に簡単な操作方法の説明はしたものの、シンプルな仕組みなのでそれ以上の指導やトレーニングなどは必要なかったという。齋藤孝雄
経営管理部 部長は、「入室時にはカードをかざす、来客は社員がドアを開けて迎え入れるといった方法に変わりましたが、社員に戸惑いはなく、すぐに新しいやり方に慣れました」と語る。
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| 来客スペースは社員が作業する事務スペースとは完全に区分けされている。導線的にも社員の事務スペースを横切らずに来客スペースにたどりつけるようになっている。 |
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ICカードをリーダにかざすとデータを読み取り、瞬時に照合して電気錠を解錠する。 |


新システムの導入によって、社員以外のオフィスへの出入りを完全にコントロールできるようになった。部外者が勝手に入り込む余地はない。社員の安全確保の面でもその効果は大きい。特に女性社員の間では昼夜問わず安心して仕事ができると好評だ。さらに、セキュアな出入管理の実現が社員に情報管理の重要性を再認識させるきっかけとなり、社全体でセキュリティ意識の向上が図られたという。
そうしたセキュリティ面での強化に加えて、派生的な効果もいくつか出ている。たとえばAOASサービスによって定期的に出入ログレポートが提供されるが、それを参照すると社員個々の勤務状況が把握できる。「ログレポートを見ると、誰が残業続きか、オーバーワークの状態にあるかなども一目でわかります。健康面を考えると、そうした社員には遅出したほうがいいなどの声をかけるという配慮もできるようになりました」(齋藤部長)。実際、このレポートをきっかけに、同社ではフレックス制導入の検討も始めている。
総務部門の作業の軽減も1つの効果だ。同社ではタイムカードを採用しており、勤怠関連の資料づくりにはタイムカードからデータを抽出して作成していた。AOASレポートを今後はそのまま利用でき、作成作業の手間が省けるようシステムをご提案している。
そうしたレポートの提供も含めて、同社ではAOASの利用価値は高いと評価している。新システムの運用管理・監視もほとんどAOAS管理センターがリモートで行うので、出入管理に伴う煩雑な作業は一切ない。「カードのレンタルを含めた導入の段階から運用管理・保守サポートまでアート社にワンストップで対応してもらえるので安心だ」(齋藤部長)。
同社では、今回の出入管理システムによって、実質的にPマーク準拠のレベルのセキュリティを確立できたと判断している。渡辺社長は、「当社にとって情報の管理はクライアントに対する基本的な責任であり、信頼の源泉です。それに応えるためにも、今回のセキュリティシステム導入にとどまらず、今後も一層のセキュリティの強化を図っていきます」と語っている。
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| FeliCa対応のICカード。社員数に応じて1枚からレンタルできる。 |
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ドア(電気錠)横に設置された非接触式FeliCa対応カードリーダ「NW-L10」。Edyナンバーで照合する制御部一体型のリーダ。 |
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電気錠の制御機能を一体化したFeliCa対応カードリーダ「NW-L10」を出入口に設置。ICカードをかざすとデータを読み取り、登録された入室許可データと瞬時に照合。合致すると電気錠を解錠するシンプルな仕組み。出入履歴データはNW-L10本体に蓄積される。
このNW-L10はインターネット経由でAOAS管理センターと結ばれており、ICカードの登録や更新、出入履歴データの管理、さらに扉の状況監視・異常時の通報などすべての運用管理・監視はAOAS管理センターが担当している。
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